新卒採用の議論をする際の落とし穴 イライラしています
というエントリーが最近ネットで流通しています。
個人的に勝手ながら、イライラしております。
何にって、議論の仕方に対してです。
新卒採用の議論は、変数や議題となりうる項目がとても多いです。
・大学のランク
・地域
・親や友人など身の回りの人の環境
・親の所得の影響にはじまり、自分が自由に使えるお金の量
・これまでの育ち
・文理
・企業や人事の本音
・新卒採用活動のフェーズ(インターン?プレエントリー?エントリー?説明会?面接?)
などなど、挙げようと思ったらもっともっと、もっともっと変数が挙げられます。
さらにそのそれぞれの変数に対して、膨大な因数分解が可能です。
大学のランク:(Sランク)×(Aランク)×・・・×(Fランク)
(東大早慶うんちゃら)×(MARCH)×(日東駒専)×・・・
地域:(首都圏)×(地方)
(関東)×(関西)×・・・×(九州・沖縄)
これまでの育ち:(就活をはじめるまで遊び呆けてた)
×(就活をはじめる前からキャリアを意識してた)
文理:(文系)×(理系)
変数ごとの因数分解の仕方も多岐に渡ります。
リクナビやリクルートのサービスは、これらをある程度「カバー」することを前提に
サービスをつくっており、あらゆる就職活動生を対象に打ち出しているサービスだと
考えています。
しかし、そんなリクナビやリクルートに対して疑問を呈する人はたいてい、
上記のような変数や因数分解のほんの一部を切り取った状態で議論をしてきます。
例えば、ある人は、上記リンクのブログについてこのようなコメントを入れています。
某理系大学の出身だけど、4年の春に「3社以上ES出すなよ、研究の邪魔だ! その代わりその3社は本当に行きたいとこに絞って集中しろ!」と言われて、みな第一か第二志望に就職できた。いい先生だったと思う
「 たくさんエントリーさせてたら学生が疲弊してしまう」という主張に被せてこのように主張しているということは、「そんなにエントリーさせなくたっていいんじゃないの?」という意図で記載しているのだと考えられます。
しかし、この方は、理系であり、もしかしたら高学歴の人かもしれません。
そんな変数を踏まえた時に、
「3社エントリー程度で、みんな、第一・第二志望にいけた」という結果が成り立った
だけのことではないかと思うのです。
上記ブログではこのようなことも書いてありました。
リクルートが「リクナビ」のトップ画面が、こんなことになっていると聞いて、ちょっと愕然とした。本当かなと思って学生に尋ねたら本当らしい。
一言でいえば、「もっとES出さないと内定とれないよ」と学生を煽っているということだ。
そもそも、リクナビのトップ画面はESじゃなくてプレエントリーの話なんですよね。
学生がとある時期に手書きで似たようなことを書いてひぃひぃ言ってて、
「学業のさまたげになるー!」ということを主張する中の1つは
ESについての議論であることは確かですが、そもそもこの方は、プレエントリーの
画面を引き合いに出して、ESの議論をしているのです。話が飛んでいます。
繰り返しになりますが、リクルートはこれらほぼ全ての変数を踏まえながら社内では
議論を重ね、1つの解決方法(リクナビとか)を提示していると思います。
リクルートやそのサービスに難癖をつける感情的な議論だけでは
何も前に進まないのではないでしょうか。
人材業界はコンサルタントを名乗る人は結構な数いると思いますが、
コンサルタントが本来得意としているような因数分解や分類ができないまま
議論を行い、かつ、対案も出さない。出せない。
ここにイライラしています。私はリクナビ(というか、●●ナビという仕組み)は
不完全なところがありつつも、1つの立派な解だと思います。
大多数の人が包括的な議論から目を背け、
一部の変数を引き合いに、対案なき批判をしているのに比べたら、なおさらです。
みなさん、どう思いますでしょうか?